2024年11月10日(日)に表彰式を開催しました!
第3回元号しあわせの架け橋短歌大会2024の優秀作品表彰式を道の駅平成にて開催しました。
本大会では、2024年5月1日から8月1日の期間中に、一般の部169詩(内高校生96詩)、小中学生の部686詩の応募があり、厳正なる審査の結果、下記の通り受賞作品が決定いたしました。
受賞作品一覧(一般の部)
※敬称略。青枠内は選者の講評です。
最優秀賞
虹立たせポンポンダリヤに散水す行方不明者無事保護を聞き
岐阜県関市 西部 千鶴
行方不明者が無事保護された。おそらく市の同報無線の報せを聞いたのであろう。知らない人のことであるが、ほっとした思いを抱きながら花に散水している。<虹立たせ>に心情がよく出ていて、心温まる作品。
関市長賞
一匹はいるんだろうなこの中に詩の朗読をしている蝉も
愛知県名古屋市 遠藤 雄介
夏、盛りに鳴く蟬の声を聞きながら、喧しいなあ、と思うのですが、もしかして、この中に一匹くらいは詩を読んでいる蟬もいるだろうな、と想像しています。蟬から詩へ、喧騒の中からの発想の転換は見事です。
関市教育長賞
立ちどまり母の歩みにあわせれば野の花の名をひとつ覚える
静岡県静岡市 杉山 博代
大変だろう足の不自由な母の世話。が、それで野の花の名をひとつ知ったことを喜ぶ。愛らしい花だったに違いない。優しい作者の心穏やかな詩情溢れる歌。気張らぬ素直な表現、特に「野の花」という具体がいい。
元号しあわせの架け橋の会会長賞
鳩が飛ぶこの青空の行き先に戦下の国が広がる現実
兵庫県川西市 木内 美由紀
鳩が飛んでいるどこまでも青い空。平和であることをしみじみと感じるが、その空の遠い先には戦下の国が広がっている現実がある。そう想うだけで心が傷む。いつ終わるかわからない戦闘、そこに寄せる作者の思いに引き込まれる。
優秀賞
何もない一日だっていいじゃない空は青いし風は美味しい
佐賀県唐津市 古賀 由美子
考へ事してたのだらうか黒焦げになりてしまひぬ目刺し三匹
岐阜県関市 伊佐地 博子
亡き夫の椅子そのままの食卓に二十才の孫の背広凛凛しや
岐阜県関市 長尾 ふき子
父の意に添えず退職せぬままの看とりにありきまた夏がくる
岐阜県岐阜市 大栗 紀美子
パズル解く祖母独り言人生で今が1番勉強してる
滋賀県長浜市 野口 成人
ありがとう恥ずかしいから言えないよ代わりに送る君の似顔絵
日本女子大学附属高等学校 増田 怜花
入選
アルミ缶潰すついでに孤独をも握り潰せば冴ゆる音のす
山口県光市 井ノ口 皓
キャッチャーとファースト連れて子は行きぬ四校合同チームの試合に
岐阜県飛騨市 横山 美保子
鳥なのに空飛ぶことを忘れしか水にひたすら潜る鵜たちは
岐阜県岐阜市 川出 香世子
今日もまた一つ忘れて溜息はケーセラセラと大空へ舞ふ
岐阜県関市 上野 昌子
青りんごジーパンに擦りこりこりと白き歯見せて少年は食む
岐阜県飛騨市 神出 典子
ポジティブな顔は笑顔しかないからもう少し微笑んでください
滋賀県立膳所高等学校 池田 玲亜
鼓草の花の遊びは野に出でてたんぽこたんぽぽたたんぽんぽん
茨木県つくば市 松田 早苗
大雨の警報の日も休みなく餌運び来る親燕愛し
岐阜県中津川市 国枝 三津江
五分咲きの八重の桜を塩に漬けしあわせ数多あること祈る
埼玉県熊谷市 小熊 星子
和ダンスに着物名書かれし紙のあり見貫れた文字に母の包いす
岐阜県各務原市 堀田 桂子
受賞作品一覧(小中学校の部)
※敬称略。
関市長賞
背伸びしてわざと選んだ厚底のサンダル履けば夏のはじまり
関市立下有知中学校 八木 美波
関市教育長賞
幸せは夕日がさすころ母さんがお腹の赤ちゃん報告する時
関市立富岡小学校 荒木 謙心
元号しあわせの架け橋の会会長賞
図書館の雑誌二ページ広々とブルートレイン映る水田
安八町立登龍中学校 富田 湧也
優秀賞
車から黄昏時の雲見えるまるでいつかの絵の具のようだ
宮城県岩沼市立岩沼中学校 大石 怜和
沖縄の海にただよう太陽の光はどうしてこんなに特別
関市立富岡小学校 佐藤 大虎
大好きな本の最後が来てしまう涙にじんだ最後の話
宮城県岩沼市立岩沼中学校 石澤 美尋
雨の日たくさんの音聞こえるね全ての音が生きているんだ
関市立武芸川中学校 武藤 一樹
嘘を付く嫌われようとも嘘を付く関われるならそれで幸せ
群馬県太田市立太田中学校 柳 賢亮
スイカ割りバーンとたたきいい音だきれいにわれてまちきれないな
関市立富岡小学校 川﨑 煌生
入選
たのしみは布団にもぐって寝る前に二人で話す秘密の話
関市立田原小学校 神谷 明日実
たのしみは寝ぼけまなこで昨日まで無かったメダカの卵見る時
関市立田原小学校 小瀬木 陸人
慰霊碑に祈りをささげ待ってます少し聞こえたあのひとの声
宮城県岩沼市立岩沼中学校 茂木 朔愉
つらいときに夜空の月を眺めると涙が出るから家に帰ろう
宮城県岩沼市立岩沼中学校 星 はる
黒鉛の強弱だけのカラスたちなぜだか瞳は光を放つ
宮城県岩沼市立岩沼中学校 三浦 快斗
バトミントンで希望を胸に勝ち取った県大会の大きな切符
宮城県岩沼市立岩沼中学校 堀内 楓
不思議だな本を開くと目の前は本の世界にタイムスリップ
関市立富岡小学校 松ケ崎 彩羽
初夏の空入道雲がわきあがるわたしだけの夢のおふとん
関市立富岡小学校 西部 真希
負けないと気持ちを込めてそろばんをパチパチはじく競技開始
関市立武芸川中学校 矢田 稜仁
帰り道落ち込んでたら風吹いた私の背中押すようにして
安八町立登龍中学校 田 彩乃
魚をね釣って捌いて食べたいな波がザーザー広い砂浜
関市立下有知中学校 山藤 大地
夏休みセミがミンミンうるさいなあとね家族もすごくうるさい
関市立富岡小学校 小瀬木 雫月
梅雨の日によろこんでいるカエルたちなかよくピョンととびはねている
関市立富岡小学校 安田 陽色
コロナ中真夜中起きて見渡すとぬいぐるみの目こっち向いてる
防府市立右田小学校 徳久 漣
受賞作品集について
第3回元号しあわせの架け橋短歌大会2024の受賞作品集を制作いたしました。PDFデータを下記からご覧いただけます。
第3回元号しあわせの架け橋短歌大会2024の受賞作品集(PDF)
この度は、第3回元号しあわせの架け橋短歌大会2024にご応募いただきまして、誠にありがとございました。
第3回元号しあわせの架け橋 短歌大会2024 大会概要
名称 | 第3回元号しあわせの架け橋 短歌大会2024 |
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応募期間 | 令和6年5月1日(水)~令和6年8月1日(木) ※当日消印有効 |
部門 | ①一般の部(高校生以上) ②小学生・中学生の部 |
選者 | 桐山 五一、後藤 すみ子、近松 壮一、大塚 雅之、篠田 理恵 |
テーマ | 一般の部、小学生・中学生の部ともに自由題 |
表彰 | ・最優秀賞 ・関市長賞 ・関市教育長賞 ・元号しあわせ架け橋の会会長賞 ・優秀賞 ・入選 |
優秀作品 発表大会 |
日時:令和6年11月10日(日)13:00から 場所:道の駅平成 しあわせの気の森池前広場 内容:表彰式および講評 |
主催 | NPO法人日本平成村 元号しあわせの架け橋の会 |
後援 | 関市、関市教育委員会、株式会社エコピア平成 |
https://nihonheiseimura.org/tanka2024/